こんにちは
富家病院栄養科の飯利です。
新しい年が始まってあっという間にひと月が終わりますね。
皆さんもこのひと月、充実した日を過ごせたでしょうか(*^_^*)
「ナラティブ・ホスピタル」という本があることを
皆さんご存知でしょうか。
今日はその本の一部をご紹介したいと思います。
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身体拘束は、急性期医療の世界では「正解」という局面は珍しくありません。
生命維持のために予断を許さない状態が続くような場合
患者が不測の動きをして、チューブが万一抜けるようなことは、絶対にあってはなりません。
そのチューブこそは命綱であり、そのアクシデントが即
患者の死につながる恐れがあるという場面は少なくないからです。
しかし、慢性期病院では、同じような理屈は成り立たないことのほうが普通です。
体に取り付けたチューブが何かの拍子で外れたとしても、気がついたスタッフがすぐに戻せば
それで十分間に合います。
では、そういう状況での「正解」は誰が決めるべきなのでしょうか。
それはいうまでもなく、患者本人であるべき、というのが全人的な医療の考え方です。
素直に患者の立場に立てばわかることでも
見た目や知識にとらわれると、真実を見誤ることがあります。
患者を第一に考えるといっても、毎日の現場で具体的にどうすればよいかとなると
ひと筋縄ではいかないということです。
「こちらの処置のほうが見た目に手軽そうだから」とか
「手術がなくて体への負担が軽そうだから」というのは周りの判断。
その印象だけでケア方法を選択しても、正しいとは限りません。
一人ひとりに感情があって、考え方、感じ方が違うのですから、それは当然です。
つまり、漸次的な医療を実践するには、一人ひとりは違う、
という認識を持ち、相手を中心に考える、という態度が大切なのだといえるでしょう。
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紹介した文章はほんの一部分です。
この本は、富家病院グループが
2009年から導入したナラティブ活動への取材を通して得た経験や気づき
その可能性を紹介する一冊となっています。
ご興味のある方は是非読んでみて下さい。