こんにちは。富家病院栄養科の齋藤です。
皆さんは「ナラティブ・ホスピタル」という本をご存知でしょうか。
今日はその本の一部をご紹介させて頂きたいと思います。
『家族や本人の会話から、その患者が病気で寝たきりになる前は、コーヒーショップでコーヒーを飲みながら人を眺めているのが好きな人だった、ということを知り、人生でそういう楽しみを持っていた人に最期に何をしてあげられるだろうかと考えた加藤氏は、「コーヒーを飲ませてあげたい」と思いつきます。そして、綿にコーヒーに浸したもので、ベッドに寝たきりのその患者の口を湿らせてあげました。
加藤氏は、その瞬間に見せたその患者の笑顔は今でも忘れられないといいます。』
『厳密な「医療行為」という意味からすると、コーヒーを味あわせてあげることは、大した意味のあることではないといえるかもしれません。しかし、「医療行為はもう何もいらない」と言ったあの患者の心を、あのとき、加藤氏ほど癒すことができた人はいなかったでしょう。』
治療するということだけでなく、ナラティブを大切にした上で実践した取り組みが紹介されていました。
長い闘病生活を病院でおくっている方も多いので、患者様のナラティブに耳を傾けながら、食事内容等も考えていきたいなと感じました。