こんにちは!
富家病院 医事課の石井です。
みなさんは、ナラティブ・ホスピタルという本をご存知でしょうか。
今回は、その本のなかから、第五章の「ナラティブは関わる人の心を変える」について、ご紹介したいと思います。
当院は慢性期医療を担う病院です。
慢性期医療は、状態が落ち着いていて、長期的に医療ケアが必要な方を対象にしており、入院も長期になる方がほとんどです。また、コロナ禍ということもあり、面会の機会も減り、気を許せるご家族や友人の方との時間は短くなってしまっています。
そんな中、当院の取り組みの一つとして、ナラティブ(物語)ノートというものがあります。
これは、患者様のケアにあたる部署のものが、一つのノートを使い、文章や写真といった様々な方法で、患者様の日常や日々気が付いた事などを個人ごとに記録しているものです。
決まった記入方法はなく、患者様の趣味や好きなことなどが、各スタッフの記入の仕方で、記されています。各スタッフで視点も違うため、患者様について、よりよく知ることができ、読んでみると患者様と近づけたような気持ちになります。
また、ナラティブノートをつけることで、自然とスタッフと患者様のコミュニケーションが取れ、さらには、スタッフ間のコミュニケーションも増えているといいます。
こうしたナラティブという取り組みが、患者さんの身体だけではなく、心をケアし、また、患者様だけではなく、ノートをつけるスタッフや、そのノートを読むご家族様、患者様のことを大切に想う人たちの心までも、暖かな気持ちにすることが出来るといいます。
身体だけではなく、心のケアに注目し、一つ一つを、大切に行うことで、当院に入院して良かったと思える方が、一人でも多く増えたらいいなとおもいます。