こんにちは。本館3階北病棟、大石です。本日は当院のナラティブの取り組みを紹介した
「ナラティブ・ホスピタル」より一部をご紹介いたします。
第2章 超高齢化社会に必要とされる「ナラティブ・ホスピタル」
家族や愛する人の苦しみには自分の胸も痛くなるのが人間です。そういう心境を一人ひとりの患者・入居者に持つことができれば、できるだけ丁寧にケアしよう、できるだけ苦しくない方法を選択しよう、という気持ちが芽生えるし、ひと手間かけてでも、少しでも楽で気持ちよいだろう方法を当たり前のように選択する心持ちになることができます。医療人としてのホスピタリティ(もてなしの心)を、常に思い出すことができるようになるわけです。
ただ、そういう思いやりが生まれたからといって、それによって即スキルが向上するとか、プロセスが効率化するとか、そういう類の結果に直結するわけではありません。むしろ、本当にやるべきことをやる現場になる、というだけの話なのです。
ナラティブというアプローチは、つまり、業務改善のためのツールなのではなく、医療提供者が、本当に患者・入居者の立場に立って仕事をするためのよりどころ、仕事の意味に気付くためのきっかけづくりなのだといえるでしょう。
患者様の心に寄り添い、お一人お一人のナラティブ(物語)に新しい喜び、生きる楽しさを増やしていけるよう努めたいと思います。