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ナラティブ・ホスピタル2019年12月19日

こんにちは。富家病院 病棟クラーク 中牟田と申します。

今回は、当院のナラティブ活動について記された「ナラティブ・ホスピタル」について

ご紹介させて頂きます。

最初に「ナラティブ」って何?と、思われる方もいらっしゃると思いますが、

このブログを読まれて、少しでも興味が湧いてこられたのなら是非本をご購入していただき、じっくり最初から最後までお読みくだされば、分かっていただけると思います!!

今回は、当院が何故「ナラティブ」を取り入れているのかの部分をご紹介いたします。

  • P46 ~P51

富家病院として「ナラティブ」を取り込んでいく

その人のありのままを見つめて医療人として向き合う

 

当院は、重度慢性期の医療を専門的に目指し、身体拘束の撤廃、褥瘡対策の向上など、高いレベルの重度慢性期医療を提供する取り組みを長年続けています。このように優れた環境下であってもスタッフが“やりがい”を持つ事は、容易ではない側面もあります。

「治る見込みのない、寝たきりの人に医療ケアを施して生かしつづける意味はどこにあるのか?」そういう気持ちは、多かれ少なかれ、スタッフの中にどうしても芽生えてしまいます。

慢性期医療の現場に長くいると、そういう虚しさを抱くようになってしまうのです。

急性期医療の現場なら、患者の治療に貢献することで「治った!」という達成感が得られ、モチベーションを高めることも出来ますが、慢性期病院では「患者に日々ケアをしている“だけ”」という思いにもなりがちなのです。

医療提供者として、誰かの役に立てたという喜びとやりがいを現場に感じてもらうには、どうしたらいいのか・・・。たとえ寝たきりの人でも、その人には人生の物語があるし、まだ終わっていません。

スタッフがそれを共有し、日々記録し、心に刻んでいけば、その人の人生は進んでいく。

患者一人ひとりの人生の終幕を見守り、支え、ときに納得できる最期にするために、自分たちがいる。慢性期医療の現場にそんな新しい存在意義をもたらすことができます。

「ナラティブ」を取り入れることで、慢性期医療の現場は、本人と家族にかけがえのない意味を持ち、輝き始めるのです。

ナラティブを実践するスタッフにとって、自らが習得した医療スキルは、その患者との出会いのきっかけにすぎない、といえるかもしれません。

人を喜ばせるために一歩踏み出して行動する。ナラティブの実践によって、そんな当たり前の光景が広がり始めています。

 

ナラティブ・ホスピタル ~患者と紡ぐ医療・看護・介護~

著者:乙野隆彦  発行人:久保田貴幸

発行元:株式会社 幻冬舎メディアコンサルティング   発売元:株式会社 幻冬舎

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