皆様こんにちは。メディカルホーム苗間の介護士・恩田雄一朗です。
気がつけば今年ももう残すところ13日ですね。
七十二候でいうところの“蕨魚群がる”にあたる時期となりました。
因みに蕨魚とは鮭を意味します。
そんな鮭が冬も深まる時期に群がって川を上って産卵の為に全精力を費やす・・・
そんな時期に差し掛かっているという訳ですね。
さて、何処の川で精力を注ぐ鮭とは打って変わって・・・
とある苗間の冬の朝のエピソードをご紹介しようと思います。
起床時間の声掛け・誘導の為、夜勤だった私がA様の居室を伺った際に
声掛けをしてさりげなく車椅子を準備して介助に移ろうとしたところ・・・
A様「今朝はだいぶ寒かったでしょう?何時も色々とやってくれてすまないねぇ」
職員 急な温かい声掛けにしばし絶句中・・・(笑)
間を置いて、「いえいえ、朝から優しい言葉をかけて下さって感無量ですよ!」
A様「いやぁしかし、こんな寒い時期じゃどこかの川で鮭も頑張ってるだろうね・・・」
職員「もうそんな時期なんですよね・・・吐く息も白いし・・・」
A様「頑張ってる鮭に負けない様に歩いて2階(食堂)まで行くかな・・・」
職員「本当ですか?足腰の調子は平気ですか?」
A様「どっこいっしょ~どっこいっしょ~♪だよ!」A様、満面の笑み
職員「ソーラン、ソーラン~♪ですね!」
A様「ハイ~ハイと~(笑)」
こんな調子のA様はしばらくの間、極度の腰痛が原因で歩く事も儘ならず、
コルセットを付けて車椅子生活を余儀なくされていました。
その間はそんなご自身に対し落胆されておりました。
元気だった時の朝のルーティンは何処へやら・・・
ですが、ここのところ足腰の調子の良い日には車椅子を杖代わりに
ゆっくりと居室から食堂までの間を歩けるまでに回復されていたのです。
そんな様子を見てきたので、まさかそんなA様が自発的に寒い朝早くから
”自らの足で歩く”という選択に驚きを覚え、
どこかの川で頑張っている鮭に負けじと頑張るその姿に
ウルウルときてしまったのでした。
一緒にソーラン節を歌いながらあれよあれよと食堂まで歩ききった
A様の表情は冬の澄んだ晴天の様に実に晴れ晴れとされておりました。