こんにちは。メディカルホーム苗間の介護士・恩田雄一朗です。
夏至に近づくにつれて陽の長さや湿った土の匂いがひと際感じられる頃となってまいりました。
今回は私が近々の夜勤中にあったとても壮大で心躍る入居者様とのエピソードを紹介したいと思います。
私は、久しぶりにN様から真夜中にナースコールで呼ばれ、部屋を訪問した時に
N様と何気なく会話をしていたのですが…
職員:ずっと起きてたんですね?眠れないのには何か理由があるんですか?
N様:(昔の)仕事柄ね…徹夜が多かったから、その名残かな…
職員:因みに徹夜で何をされてたんですか?
N様:小説を書いてたんだ…
職員:えぇ!?それ凄いですね!どんな内容なんです?
N様:ミステリーなんだ。鹿児島のトンボロ島である新聞記者の遺体を地元の高校生が発見するところから話が始まるんだ…
その話の展開をこの時間になると頭の中でずっと練っていてね。この物語のキーワードは何てったって「トンボロ」だよ!
職員:えっ?トンボロって何です?
その物語は絶対に文章化した方が良いいですね!とてもスリリングな展開みたいで続きが知りたくなりますしね…
注、トンボロとは本土と島を繋ぐ砂州(砂地)の事だそうです。
N様:いいかい?トンボロは干潮にならないと渡れない・・・だよ。フフフ・・・
(小説の内容を意図した微笑)
職員:苗間の松本清張さんここにありですね・・・
そこから延々と小説の構想を聴き続けたところでお部屋からお暇しました。
是非とも壮大なスケールのナラティブを完成させて頂きたいなと心から思った一夜でした。
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~後日談~
なんと、そんなN様が居室の一角でどこから用意したのか原稿用紙を前にあの
ストーリーを執筆されていたのです。画像は表題の一部ですが・・・
いやはや実に作品の仕上がりが待ち遠しいものです。お部屋にお邪魔してN様の様子を見守っている私も
一出版社の社員として原稿締め切りで先生の元へ伺っているかの様な錯覚に陥るのでした((笑))