こんにちは、富家病院臨床心理室です。
今日から4月ですね!
4月は始まりの季節。
新しい生活が始まる方にとっては、ドキドキ・ワクワクの時期でもありますね(^^)
どうか、実りある1年となりますように!
さて、今日はある患者様とのエピソードをご紹介したいと思います。
(あ、今日はエイプリールなんとからしいですが、ウソではありません)
その患者様は、長年連れ添った奥様を亡くされていました。
それまで2人でいたのに、突然ひとりぼっちになってしまったのです。
亡くされて数週間までは、落胆されながらも「大丈夫」と仰っていたそうです。
しかし、次第に食事も摂れなくなっていきました。
そんな中、お部屋に行きお話を伺っていたところ、ポツンと「さびしい」という言葉が出てきました。
そして、それまで我慢していらっしゃったのか、しばらくの間奥様の話をされました。
どこで出会い、どんな性格の持ち主だったのか等々。
「いい奥様なんですね」と私が言うと、「そりゃあ、そうだよ」と自信満々に答えていました。
ずっと、ずっと寂しかったのですよね。
その別れ際「ありがとう、ありがとう、また来てね!」と何度も私の手を握って仰っていました。
私は次の日も、その次の日もお部屋に伺いました。
その度に「ありがとう」と堅く手を握って。
傍にいて胸がジーンとするのを感じながら、私はその手を握り返しました。
そして、数日経った現在、患者様は食事を摂ることができるようになりました。
「お腹が減って、もうダメ~!」と言いながら。
元気になって良かった。本当に良かったです。
そして、いつものように握手をしてきました。
(患者様)「今度はお腹が空いてない時に来てね」
(私)「わかりました!元気もお腹もいっぱいな時に会いましょうね」と。