グループホーム鶴ヶ岡苑の田中隼人です。
このブログを書くのは三回目になります、確か。
さる3月3日、耳の日にグループホームでは桃の節句を行いました。
女の子の節句として有名ですが、この時期になると思い出すのが詩経にある漢詩です。
桃之夭夭 (もものようようたる)
灼灼其華 (しゃくしゃくたりそのはな)
之子于帰 (このこここにとつぐ)
宜其室家 (そのしつにかよろしからん)
漢字が変換できないので(IMEの限界)検索をかけてコピーしました。
詩の内容は、桃の実のようにみずみずしく、桃の花のように美しい娘がこの家に嫁ぎます。
その家にとってとても素晴らしいことでしょう、というものです。
当時からすでに桃と女の子(娘)とを結びつけていたのですね。
そしてここに嫁いではいませんが入居されている女性の皆様も
元プロの手によって施された美しいメイクを楽しまれました。
女性とはメイクひとつでこんなにも違うものか、
と驚かされました。 ※もちろん普段から大変お美しいですよ。
その後、男性入居者も参加して紙コップで雛人形をつくられ、
ひなあられと甘酒をめしあがっていただきました。
個性的ながらかわいらしい雛人形は、皆様のお部屋に飾らせていただいています。
さて、先に挙げました漢詩の桃夭ですけれど、
昔から結婚式で仲人の方がよく引用されるとか聞いています(経験がないのでよくわかりません)。
そしてもうひとつ結婚式でよく引用される詩に吉野弘という人の「祝婚歌」というものがあります。
埼玉は狭山市の入曽に長く住んでいて、入曽の詩も書いていたりする詩人でして、
「祝婚歌」はその代表的な作品です。以下に少し引用します。
二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派過ぎないほうがいい
立派過ぎることは
長持ちしないことだと
気づいているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
(中略)
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気づいているほうがいい
(後略)
うろ覚えですが、確かこれはある知人の結婚式に宛てた電報だったそうです。
しかし改めて見てみると、結婚に限らず、あらゆるところに通じている詩だな、
と思ったりもするのです。