こんにちわ
富家病院 臨床心理士の根生一治です
今日は
当院『ものわすれ外来』であった
ある『愛』の話をご紹介します
ある日
「妻が浮気をしている!」
と、おっしゃる高齢男性ヒロシさん(仮名)が
ご家族に連れられて受診されました
認知症の初期にみられる”嫉妬妄想”です
しかし、病気の仕業とは知らない奥様のノブコさん(仮名)は
根も葉もない疑いに大激怒でした
ヒロシさんにお話を伺ってみると
「愛する妻に裏切られたことが悲しい」とのことでした
ノブコさんにもお話を伺ってみると
「優しくて頼れる夫なのに
急に変なことを言い始めて!!
どうしちゃったのかしら…」と話されました
これだけでは伝えきれませんが
お互いを大切に思っていらっしゃるんだなというのが
よーくわかる内容でした
そこで
ノブコさんに
「浮気なんかしていないと言っても治りません。
悪化させない為には、投薬と並行して
ノブコさんの愛が必要です」
普段の生活の中で
『愛』をささやいていただくことをお願いしました
「今更そんなこと…」と
恥ずかしがっていらしたノブコさんですが
頑張ってくださいました!
結果、その後の受診でヒロシさんが
「なんだか、浮気相手とは別れたみたいなんだよ。
”あなたに一生ついていきます”
なんて言うもんだから、しかたないよなぁ」
と、嬉しそうに話してくださいました
お二人の間で
どのような『愛』の言葉が交わされたのかは
ここでは語り尽くせませんが
『愛』のチカラが嫉妬妄想の改善に重要な役割を果たしました