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心のあたたかさ2015年12月9日

こんにちは。富家病院 臨床心理室です。

綺麗に色づいた街路樹の葉が散り、冷え込みが厳しくなってきました。いよいよ冬本番ですね。

私は冬の寒さが大の苦手なのですが、皆さんは寒さ対策はどうされていますか?

コート、マフラー、こたつ、ストーブ、温かい食べ物、お風呂にゆっくりつかる……

色々工夫して温かく、風邪をひかないように過ごしていきたいですね。

 

今日は昨年の冬、患者さまとのかかわりの中で感じた”心のあたたかさ”について紹介したいと思います。

その患者さまは80代の女性で、言葉によるコミュニケーションは難しいですが、

お会いすると、いつも手でピースマークを作って笑顔を見せて下さる方でした。

 

ある日その患者さまに通りすがりに声を掛けてお話していると、私の手を握ってくれたのですが、次の瞬間目を大きく開いて「?!」とびっくりした表情。

冷え性の私の手がとても冷たいことに驚いたようです。

心配そうな顔をして、小さいけれど温かな手で必死に手をさすってくれました。

 

しばらく一心に手をさすってくれていましたが、

<冷たくてびっくりしましたか?疲れてしまうので、もう大丈夫ですよ>と声を掛けると、首を横に振って、「だめよ!」と言いたげな顔。

結局5分間くらい、ひたすら手をさすって温めてくれました。

 

すっかり手も温かくなり、<おかげで手がぽかぽかです!ありがとうございます!>とお礼を言うと、「よかった」と言いたげなほっとした顔になり、いつものようにピースマークを作って笑顔を見せてくださいました。

 

その日は本当に寒い日でしたが、一日中ぽかぽかと温かい気持ちでいることができて、

人とのかかわりで感じる”心のあたたかさ”は、どんなコートや暖房器具にも負けない、素晴らしいパワーをもっているなあと感じた出来事でした。

 

最近患者さまとお話していると「冬になると心が寒くなる」「日が短くて何となく気が滅入るわ」とおっしゃる方もいらっしゃいます。

私も寒さに負けず、患者さまに”心のあたたかさ”を感じてもらえるようなかかわりを日々心がけたいと感じます。

 

追伸

11/28から公開になった『ハッピーエンドの選び方』という映画の紹介です。

(公式サイトhttp://happyend.asmik-ace.co.jp/)

慢性期病院で働くスタッフにとって大切なメッセージが詰まっている作品ではないか?と知人におすすめされました。

「老い」や「死」という重たいテーマではありますが、笑って泣ける”あたたかい”作品だそうです。私も劇場に足を運んでみようと思います!(回し者ではないです!念のため!笑)

20151209

カテゴリー:富家病院

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