こんにちは。富家病院 臨床心理室です。
綺麗に色づいた街路樹の葉が散り、冷え込みが厳しくなってきました。いよいよ冬本番ですね。
私は冬の寒さが大の苦手なのですが、皆さんは寒さ対策はどうされていますか?
コート、マフラー、こたつ、ストーブ、温かい食べ物、お風呂にゆっくりつかる……
色々工夫して温かく、風邪をひかないように過ごしていきたいですね。
今日は昨年の冬、患者さまとのかかわりの中で感じた”心のあたたかさ”について紹介したいと思います。
その患者さまは80代の女性で、言葉によるコミュニケーションは難しいですが、
お会いすると、いつも手でピースマークを作って笑顔を見せて下さる方でした。
ある日その患者さまに通りすがりに声を掛けてお話していると、私の手を握ってくれたのですが、次の瞬間目を大きく開いて「?!」とびっくりした表情。
冷え性の私の手がとても冷たいことに驚いたようです。
心配そうな顔をして、小さいけれど温かな手で必死に手をさすってくれました。
しばらく一心に手をさすってくれていましたが、
<冷たくてびっくりしましたか?疲れてしまうので、もう大丈夫ですよ>と声を掛けると、首を横に振って、「だめよ!」と言いたげな顔。
結局5分間くらい、ひたすら手をさすって温めてくれました。
すっかり手も温かくなり、<おかげで手がぽかぽかです!ありがとうございます!>とお礼を言うと、「よかった」と言いたげなほっとした顔になり、いつものようにピースマークを作って笑顔を見せてくださいました。
その日は本当に寒い日でしたが、一日中ぽかぽかと温かい気持ちでいることができて、
人とのかかわりで感じる”心のあたたかさ”は、どんなコートや暖房器具にも負けない、素晴らしいパワーをもっているなあと感じた出来事でした。
最近患者さまとお話していると「冬になると心が寒くなる」「日が短くて何となく気が滅入るわ」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
私も寒さに負けず、患者さまに”心のあたたかさ”を感じてもらえるようなかかわりを日々心がけたいと感じます。
追伸
11/28から公開になった『ハッピーエンドの選び方』という映画の紹介です。
(公式サイトhttp://happyend.asmik-ace.co.jp/)
慢性期病院で働くスタッフにとって大切なメッセージが詰まっている作品ではないか?と知人におすすめされました。
「老い」や「死」という重たいテーマではありますが、笑って泣ける”あたたかい”作品だそうです。私も劇場に足を運んでみようと思います!(回し者ではないです!念のため!笑)