皆さまこんにちは。
臨床心理室 心理士の長谷川です。
今回はAさんとお話した時のエピソードをお送りします。
その日は娘さまが面会にいらっしゃったそうです。
大好きなお寿司と『あぶない刑事』のポストカードを貰い、嬉しそうに話されていました。
その一方で、「何にもしてあげられてない」と自身を振り返り落ち込まれます。
いつもご自身を卑下されることが多いAさん。
「バカだから、勉強も教えてあげられなかったし」と、さらに落ち込んでいきます…
でも、何もしてあげられてないことなんかありません。
Aさんは料理が得意なのです。
工夫を凝らしたハンバーグや、数時間煮込んだビーフシチュー等、
手間暇かけたこだわりの料理を娘さまの為によく振舞っていたとのこと。
「貧乏だったから安いの買って来て、どれだけいいの作れるか。
美味しいかはわかんないけど、綺麗に食べてくれた」と、
懐かしむように話すAさんは母親の顔をしていました。
普段はぶっきらぼうな面があるAさんですが、
娘さまの話をされる時に見られるAさんの“母親の顔”に、なんだか心が温まりました。