こんにちは、臨床心理室の野村です。
今回は当院の外来透析に通われているAさんについてご紹介します
Aさんは最初「透析は辛い、嫌い」とよく訴えていました。
確かに、週3回、約3時間掛かる透析治療は楽なものではないと思います。
しかし今は「透析は嫌じゃない」とよく話されます。
辛いことはあるけど、嫌ではないんだと。
そう思う理由について伺うと…
「職員さんが優しいから」と。
週3回、外来透析で顔見知りの職員さんや初めましての職員さんといろいろなお話をする
のが楽しみになっていると笑顔で話されていました。
私もAさんと透析中にお話していますが、お会いするたびに
「今日は看護師の〇〇さんと□□さんが話しかけてくれて嬉しかった」、
「△△さんは末っ子なんだって」と職員さんとのやり取りを教えてくださります。
私が新しく入った職員さんの名前が分からないとAさんに言うと
「あの人が〇〇さんで今通ったのが◇◇さん」と…
正直、Aさんに教えてもらって名前を覚えた方がたくさんいます(^_^;)
Aさんはそれだけたくさん職員さんとコミュニケーションを取っているということですね。
そんな姿を見ていると、外来透析がAさんにとって一つの居場所になっているように感じます。
『辛い』ことをなくすことだけに目を向けるのではなく
『辛いこともある…けど顔を見ると安心する』
『辛いこともある…けど話しているのが楽しい』
と、患者様が今の現状と共に歩むためのサポートをすることも
病院の重要な役目なのだとAさんの姿をみて改めて思いました。
ちなみに最近は、Aさんから「魚へんの知ってる漢字を書いてきて」と宿題を出されたので、
ズルはせず自分の知っている漢字だけ書き出しています(笑)
これからも入院・治療というものが、ネガティブなイベントとして終わらないように
皆様と関わっていけたらと思います。