失語症グループの特徴はご利用年数の長短に関係なく、お一人一人の個性がよく出ていて面白く、時々STや職員をしゃきっとさせてくださることです。
たとえばDさん。
この日は先日 磁器に絵を張り付ける教室をDさんの奥様が職員に紹介して下さったことが話題でした。
ポーセラーツというのだそうです。Dさん、蚤の市と漢字で紙に書き、ボードに水上と書かれる。
みなかみ?違う、この教室や展示の場所を知りたがっているNさん「水上公園じゃないか?」Dさん「そうそう」STを振り返って「早く分かれよ」とばかりに「うっ」とSTを振り向き一喝。
こんどはなにかパソコンで調べていますが見つからずSTを指さして調べろと。何を調べればいいんですか、ああですか、こうですか・・・にまたまたDさん,
「かっ」とSTを一喝。最後に蚤の市の開催場所と時間だと解ってSTがその画面を出すと「もっと早く分れよ」と、あきれるDさん、分ってほっとするNさん。STに向かい苦笑しつつ首を振るおふたり。又またお詫びするST。
どんなときにもあきらめないどころか、STがわからないことに、イライラしながらも目的を達成していくDさん、その日の午前中は介護体験の学生さんが来たので、将来はなんの先生になる?という質問などでゲームをしました。
Dさんに「なんの先生になりたかったですか?」と聞くと上を指差し「ちょう」と。そんな学科、あったかしら と思いながらST「校長先生ですか?」にうなずくDさん。国語や社会などを想像していた皆さんもこれには大拍手。
このように、失語症になっても意志が強く、ご自分の目標に向かってたゆまぬ努力をしていくDさん。失語症デイの一日は今日も個性がいっぱいの御利用者さんとSTや職員との熱~いやり取りが続きます。
元料理長のDさんのおやつ作り